第44回
アンチ山手線ゲーム Vol.2
〜GW特別企画 其ノ参〜

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 後半戦も、解説は元横綱北勝海の八角親方の解説でお送りします。(うそ)

 <第10の選択:西日暮里駅> 16:15

 4巡目。西日暮里駅は、千代田線しかないのだが、この千代田線、西日暮里駅以外は山手線に停まらない。一番近い乗り換え駅でも、4駅先の新御茶ノ水(小川町)駅である。くじの引き手は私。高田馬場を引く。新御茶ノ水から一駅先の大手町で、東西線1本である。ちなみに、写真では電車の中であるが、これは単に撮り忘れていただけである。


疲れた表情。口が開いている

 大手町まで5駅約10分。大手町は、南北線を始め、半蔵門線、丸の内線、三田線、そして東西線が交わる、地下鉄屈指のターミナルである。こんな便利なターミナルを、10回目にして初めての使用。いままで、いかに効率悪かったかがおわかりいただけるだろう。5つ乗り入れている駅は、他に赤坂見附(永田町)駅しかないが、ここはまだ1度しか使っていない(第2の選択、新宿→神田の時)。

 大手町から高田馬場は6駅。まあ、ぼちぼちである。ここは特記することもなく、淡々と。途中、スタート地点となる飯田橋も通過。ということは、最初に高田馬場を引いておけば大当たりだったことになる。この運の無さは、どうしたものか。天皇賞もハズれ、この企画でもハズレをことごとく引く私。スグノレのことを笑えなくなる。駅の表示には、ちょっとした落書きというか、いたずらが加えてあったが、センスをまるで感じない。早稲田大学生の仕業だろうか。喜んでこのようなことを書いているとすれば、軽蔑に値する。


高田馬場駅

 <第11の選択:西日暮里駅> 16:42

 久々に30分を切っての到着。しかし、依然としてペースは悪い。高田馬場は、東西線のみなので、ここでどこを引いても乗り換えは必要。既出だが、飯田橋か大手町が乗換駅としては主力である。くじはkageの順番。駒込を引く。現在、山手線の北側に近いところにいるので、これはかなり当たりである。


この至福の表情を見よ

 予想通り、飯田橋での乗り換え。これで、スタート時を加えると、3度目の飯田橋である。しかし、過去2回と違うのは、悪夢の大江戸線に関わっていないこと(スタート時は大江戸線で新宿まで、2度目は大江戸線で上野御徒町から飯田橋まで来る)。東西線から南北線に乗り換え。これで、ついに営団は半蔵門線を残すのみとなった(都営は浅草線が残っている)。効率がいいのだろうか不明だが、ともあれ、kageの引きには敬意を評したい。

 飯田橋から駒込まではわずか4駅。にもかかわらず、今回は電車の乗り継ぎが悪く、東西線を飯田橋で降りてから駒込に着くまで、20分を要した。今回も約30分。残る駅はあと6つ。大体3時間であろうか。


駒込駅

 <第12の選択:駒込駅> 17:14

 後半戦最初のさんぎょーの順番。1つの線しか無い駅であるのは3回連続である。今回はとにかく南北線で戻らなくてはいけない。残る駅は南の方が多いので、「南北線」という名にふさわしく、どこを引いても近づくのは近づく。ハズレは代々木か、秋葉原であるが、引いたのは渋谷。南に下って永田町で半蔵門線である。営団残り1線をあっさり1発ツモ。写真、左側の行き先にわずかに見える「園」は、後楽園ではなく、「浦和美園」という埼玉高速鉄道の駅である。逆に、南に下るのは白金高輪まで。最長で武蔵小杉まで行くという、まさに「南北線」の面目躍如!?である。


どこ見とんねん

 永田町(赤坂見附)は、5線が乗り入れていると前述したが、このうち、南北線だけ異様に駅の位置が遠い。例えて言うなら、東京駅の京葉線ぐらいある(約600m)。日暮里と西日暮里駅間よりも、京都0番線(旧1番線)よりも長いのである。途中、動く歩道があったが、あまり役に立たず(短いから)。乗換え案内には、南北線から半蔵門線は、「乗換目安7分」とある。遠いわ。

 やっとの思いで半蔵門線。1駅先の青山一丁目駅から渋谷駅まで、半蔵門線と銀座線は並行して走っている。が、銀座線は、半蔵門線では停まらない「外苑前」という駅に停まるのである。従って、半蔵門線に乗る機会が今までなくて、今回わざわざ乗ったわけではない。ちなみにこの外苑前駅、神宮球場のすぐ目の前である。一度、tsuka-pを拾うのにこの駅前の国道246号で車で待っていたこともあった。

 渋谷駅到着。例によって30分ペースは継続。そろそろ疲れが見えてきた。しばらく地上にも上がっていない。右の写真は、疲れたkageの様子を映したもの。後ろの電車は、半蔵門線が乗り入れている、東武動物公園行きの電車。南北線だけでなく、半蔵門線も乗り過ごすと大変なことになる電車である。


渋谷駅

なんやこの顔は

 <第13の選択:渋谷駅> 17:47

 さて、渋谷駅。ここまでで、12駅通過し、残る駅は5駅となったのだが、どれも点在しているので、当たり外れが段々なくなってきた。こうなると、1本でいける可能性は低くなるので、いかに乗換駅(飯田橋、大手町、赤坂見附等)に近づくかがポイントになるだろう。順番はてつおー、引いたのは東京。日本一のターミナル駅も、地下鉄では丸の内線しか通っていない。渋谷からなら、大手町が近そうだ。


ベタなボケですが…

 半蔵門線を戻ること15分、大手町から丸の内線に乗換て、1駅。そんなに時間はかからずに到着。単純に行って、ここでは特記事項なし。


東京駅

か、可愛くない…

 <第14の選択:東京駅> 18:15

 残る駅はあと4つ(秋葉原、代々木、目黒、五反田)。しかし、前述通り、くじは5つある。品川があるためである。ここで、さんぎょーがとんでもない案を思いつく。

 「品川引いた人が飯おごる」

 というものである。こういう場合、ほぼ例外なく言い出しっぺが引くと世間は知っている。が、それにもかかわらず、この男はこともなく、上のセリフを吐くのである。この男がこういうことを言う場合は、100%思いつきであるのだが…。

 さて、この案、私もkageも賛成も反対もせず、結局そういうルールになってしまった。しかし、よく考えてもらいたい。この時点で、くじは5つである。ということは、私が一番当たる可能性が低いのである。単純に、私には有利なルールであることは間違いない。残り3つになって、私の順番となったときが勝負だろう。

 くじを引くのはkage。今までと違い、ヘンなプレッシャーがかかるが、引いたのは五反田。乗換1回では行けない、ハズレである。くじのボケは、誰もが思いつくところ。


はい、予想通りのボケです

 五反田は、実は浅草線しか走っていないのである。ということは、この企画が始まった時点で、浅草線に乗ることは確定している。東京からは、銀座まで丸の内線、そこから日比谷線で1駅の東銀座に行き、浅草線で五反田となる。

 一度の乗換で行けないのは、上野→有楽町(上野→上野御徒町→飯田橋→有楽町)、巣鴨→西日暮里(巣鴨→神保町→小川町→西日暮里)以来3度目。かなりの時間のロスが予想される。

 まずは銀座へ。銀座は、新橋→池袋間で通って以来、6時間ぶり2度目。しかし、地上には上がっていないので、どれだけ煌びやかな町並みかは全くわからない。日比谷線で行った東銀座も同じ。せっかく山手の代表格、銀座に来ても、全く実感は湧かない。勿体無い。

 東銀座から浅草線。これで、ついに全線制覇となった。狙ってすべて乗ったわけではないが、この企画を遂行するには、これだけ網羅された地下鉄網を、全ての線を使う必要がある、ということだろう。身を持って体験したわけである。


五反田駅

 <第15の選択:五反田駅> 18:46

 あと3つ(くじは4つ)。30分ペースを守ると、20:15には終わる勘定である。なかなか手ごわかったが、なんとかゴールが見えてきた。さあ、品川ルール言い出しっぺのさんぎょーの出番。彼がくじを引くのは、これが最後である。品川を引くのか、それとも回避できるのか!?引いたのは…目黒であった。これでさんぎょーもとりあえず品川は引かず。勝負は残り1巡となった。品川を引く確率はみんながみんな1/3。次に期待。


品川は回避

 目黒へは、またしても乗換2回。浅草線で三田駅まで戻り、そこから三田線で目黒に行く、という手段。山手線を使うと、隣の駅なのでものの2分で行けるのだが…。

 さて、五反田へ来るため乗ってきた浅草線を、再び銀座方面に向かう。が、来た電車を見てみると、「泉岳寺行き」とある。泉岳寺は、五反田からわずか2駅のところにある駅で、三田駅の1つ手前である。こんなところでも運が無い我々。

 泉岳寺は、京浜急行が乗り入れている駅なので、浅草線の中では主要な駅であるから、しょうがないと言えばしょうがないのだが、始発(西馬込)から、6駅しか行かないのはいかがなものか。


泉岳寺にて

 上の写真は、泉岳寺で待ちくたびれた私が撮った1枚である。ヒドい顔をしているさんぎょーだが、それだけ我々が泉岳寺で喰らった足止めはつまらないものだったのである。何しろ、1駅手前で長いこと待たされているのである。

 待たされた末、やっときた電車に乗る。わずか1駅(三田駅)で乗り換え。戻る形で西に行く三田線に乗り、白金高輪、白金台という、いかにも金持ちそうな駅を抜け、ようやく目黒到着。山手線で2分のところを、なんと26分かけての目黒到着である。JR、あんたはエラいよ。


目黒駅

 <第16の選択:目黒駅> 19:12

 残るは秋葉原と代々木の2つ。それに品川。くじの順番は、てつおー。自身、最後のくじ引きである。目黒からは、秋葉原なら三田線で日比谷に行き、日比谷線から秋葉原まで、代々木なら南北線で麻布十番から大江戸線で3駅。利便性を考えると、代々木の方が当たりである。品川は大外れなので、代々木>秋葉原>品川という順番か。くじは…秋葉原。企画遂行ではハズレだが、これでてつおーの負けはなくなった。


これで今日は勝ち組!

 目黒駅のホームに戻り、三田線を待っている我々だったが、あるものを発見。これが下の写真。


まさか!?

 まさか!?である。どうでしょうリターンズを他にやっている人たちがいるというのか?こんなバカな企画を、しかも特に人気もしてない関東圏で、である。これには驚いた。決してヤラセではないことを付け加えておく。いや、マジで。

 サイコロの一件で、すっかり気を良くした(!?)我々は、日比谷に向かう。しかし、南北線がまた来ない。目黒は始発駅なのだが、何度も体験したように、始発駅ではなかなか巡り合わせが悪い。日比谷まで、所要時間が26分。さっきの五反田→目黒と一緒やん。フザけとる。さらに、日比谷からの日比谷線も乗り継ぎが悪く、しかも8駅もある日比谷線。今日1日で一番の間の悪さ。秋葉原到着は20時。思ったより時間がかかってしまった。電気街も閉まってるわい。


秋葉原駅

 <第17の選択:秋葉原駅> 20:00

 さあ、目的地は代々木と決まった。あとは、誰が飯をおごるか、だけである。誰が、と言っても2人のうちどちらかなのだが。てつおーには関係ない。いや、良い立場だ。さぁ、kage、運命の計量です!

 ………ジャン!はい、品川。最後に来て引きの悪さを露呈。巣鴨の時は冴え渡る引きだったのに、体力の限界か。まさに明暗を分ける格好となった。


品川です(品川庄司風に)

最後に笑う勝ち組!

 スポンサーの意向で、代々木前に、秋葉原で飯を食うことになる。恵比寿以来の、久々の地上である。とはいえ、時間的に日の光を見る事は無いが。行き先は、BBSにも何度か登場した大酋長。焼肉食べ放題の店である。この店自体は大した特徴はないのだが、問題は、この店がある場所である。下の写真をご覧いただきたい。


さて、このビルの特徴は?

 5Fにあるのが目的地の大酋長、3F部分にチラっと見えるのがディック(消費者金融)であるのだが、それ以外の階は、B1Fから9Fまで、すべて個室ビデオの店なのである。驚き。しかもこのビル、うちの会社の東京オフィスの3軒ほど隣にあるビルである。とっても立地条件のいい我が社である。さらに、9F部分をよくご覧いただくと…


誰やねん

 一体、「つぼみちゃんコース」というのは何のサービスをしてくれるのだろうか。さしものさんぎょーもこれにはお手上げだった。風俗業界のことで、さんぎょーにわからないことを私やkageが知っているはずがない。この謎は、そのうちスプリングマンあたりが解決してくれるものとして、期待しよう。

 大酋長では、焼肉ではなくしゃぶしゃぶを食べる。まわりはみんな焼肉だったため、臭いがつきそうで恐かったが、仕方がない。我々だけしゃぶしゃぶだったところで、店に臭いが充満しているので焼け石に水である。しかし、この店のいいところは、写真左側にチラっと写ってはいるが、衣装ケースがあり、ここに洋服を入れておくと臭いがつかないのである。会社帰りのサラリーマンなんかには喜ばれているサービスのようだ(この日はGW真っ只中のため、スーツ姿の人は見かけず)。


食事風景

 腹もふくれたところで、最後の目的地、代々木へ向かう。日比谷線で六本木まで行き、そこから大江戸線である。

 六本木に行くのは、実は気が引けた。一度、恵比寿に向かう時に六本木は通過していたのだが、そこには改札からホームまで溢れる長蛇の列があったのだ。彼らの目的地は、言わずと知れた六本木ヒルズである。新しモノ好き、且つ並ぶの大好き関東人の威力はここでも如何なく発揮されていた。時間が経って、22時近くになったとは言え、晩でも充分店は開いているだろうし、カップルなんかは時間的に今から本番である。そんな駅で乗り換えをすることがイヤで仕方ない。

 しかしながら、代々木に行く最短ルートは、上記通り、六本木で乗り換えるしかない。意を決して六本木に行く。すると、思ったよりは人が少ない(それでもだいぶいたことはいたが)。ここからは大江戸線なので、六本木ヒルズ方面(つまり地上)とは正反対に、地下深くまで行くことになるため、人ごみに圧倒されることはなかった。


駅にはきちんと表示が

この長さのエスカレータがあと5つ

 しかし、大江戸線は深い。上の右側の写真のような長いエスカレーターがいくつもあって、うんざりする。日比谷線から大江戸線のホームまで、やはり5分はかかっていただろう。今回の企画は、大江戸線に始まって、大江戸線に終わった。完全に大江戸線に振り回されてしまったのが悔しい。

 代々木駅に到着したのは、22:06。秋葉原で長い休憩を取ったのはしょうがないのだが、実に11時間を要した。って前日のカントリーサインと一緒やん。

 「代々木」という地名から、みなさんは何を想像されるだろうか。我々は、やはり「代々木アニメーション学院」の在り処を一番に思い浮かべた。両国予備校は両国に死ぬほどあった。果たして、代々木には代々木アニメーション学院があるのだろうか!?


代々木駅

お目当ての広告

 そんな我々の心配は杞憂に終わる。駅の表示からして、「代々木アニメーション学院前」である。一企業をここまで押す駅も珍しい。広告もちゃんとあった。しかし、その横の広告は…。


ここにあったんかい

 知らなかった。辻学園(ナイトスクープでお馴染み、林先生のいる料理学校)がどこにあるかわかっていても、服部先生がいるところは知らなかった。代々木、恐るべし。

 このバカげた企画も、無事遂行できた。山手線に乗り入れている地下鉄の全部の駅を、結局都内にある全線を使って回ったのである。これが、今後の生活に何の役に立つかは全く不明と思われるが、さすがにこれだけ乗ると都内の地下鉄にかなり詳しくなる。今後、kageは東京、てつおーは横浜で過ごす際に、参考になればいいのだが、結局目的地に行く場合は予め調べるから、そんなに意味はないような気もする。しかも、今回は駅の改札は出ても、地上に上がったのはわずか4回(新宿、恵比寿、秋葉原、代々木)。街並みは当然わからないし、何よりJRの乗り継ぎの知識は皆無である。そのうち、地上に出ていくつか街並みを回るDAISUKIのようなこともやってみたいと思うさんぎょー。だが、その想いは意外に早く訪れるのである…。しかし、これはまた別のお話。

「アンチ山手線ゲーム」サマリ

回った駅17駅
総所要時間10時間21分
総歩数24847歩
総経費切符代1000円
昼食代それぞれ負担
夕食代kage負担
馬券代それぞれ(相当)負担
くじのボケ指数バカパクの2・2


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