第91回
JR九州周遊の旅 Vol.4

 4日目。大分の朝は寒い。今日も比較的ゆっくりな起床。

 大分駅  12/28(木) 8:28 総営業キロ 2606.0km JR九州乗りつぶし 1396.5km

 今日のスタートは大分駅。前回は夜中の3時半に出発したが、今回は初めて朝を迎えた。って、これが普通の光景なのだが。

 由布院温泉など、温泉地を通るが、車窓は田園と山林がちょうどいい塩梅で見える、緑のおおいもの。山が遠くに見えることが多く、その分走っているところは起伏は無く、原風景と言えばいいのだが、退屈な感じもしてしまい、由布院を出る時には強烈な睡魔に襲われる。途中、日田彦山線の分岐駅となる夜明駅などを通過する際は記憶が無く、鷹取山を越えたあたりで目が覚め、気が付いた時にはすでに久留米。久大本線としては乗りつぶし完了だが、これでいいのか。

 久留米からは鹿児島本線に入る。ここはもう開けているので田園風景はあまりない(途中にあるにはあるが)。鳥栖を越えると仕事でも使う路線であり、見慣れた風景となってしまった。博多までは約3時間だったが、前半に英気を養ったこともあり、後半は退屈しなくて済んだ。

 博多駅  12/28(木) 11:15 総営業キロ 2783.2km JR九州乗りつぶし 1545.1km

 この旅2度目の博多駅。正確に言うと、あかつきで通過はしているので3度目か。ともかくこれで久大本線全線と、鹿児島本線の久留米−鳥栖の7.1kmをクリア。

 博多についてすぐ、今度は快速に乗り換えて門司港駅を目指す。小倉からわずかな距離ではあるが、未乗にするわけにはいかないので乗っておく。

 「博多を11:26に出る快速」は実は2つあり、1つは鹿児島本線をそのまま行くもの、もう1つは篠栗線筑豊本線の一部を通り、折尾からは同様に鹿児島本線を通るもの。いわゆる福北ゆたか線である。到着時間が20分後者が遅いが、乗りつぶしを考えて後者を選択。時間との闘いか、未乗との闘いか。この駆け引きが乗りつぶしの醍醐味の1つだ。…でも、まあ普通に考えたら時間より当然乗りつぶしを優先すべきだわな。何のために乗ってるんだかわからんようになる。

 博多の次の駅である吉塚駅から篠栗線に入る。鹿児島本線に比べローカル線の色が濃いんだろうな、と思っていた私の予想は見事に裏切られ、篠栗線に入ってからも引き続き電車は高速で突っ走る。「電車」と久々に書いたが、篠栗線は電化されて間もないそうで、福岡と筑豊地方との短絡線としての役割を担っているそうだ。しかし電車は快適だ。今までの「列車」(非電化)と比べても音も静かでスピードも出る。難点は都会に出たために乗客が多いことくらいだが、それでも篠栗線としての最後である桂川駅では結構な数の乗客が降り、筑豊本線となってからはずいぶん空席も目立ってきた(ちなみに私は吉塚で既に席を確保済)。

 桂川からしばらく行って飯塚へ。浦田駅は飯塚オートの最寄駅らしいが、駅前には看板以外は見当たらず。ちょっと歩いたところにあるらしいのだが、見に行く気もなし(そもそも開催日かどうかも不明)。オートレースは6場しかないのに、全場制覇はいつになることやら。裏金産業の課題の1つだ。ちなみに私が行ったことがあるのは川口/浜松/船橋の3場。まだ50%(泣)

 飯塚の先は直方。今回は乗らなかったが(乗りたかったが)特急かいおうがこの路線を走る。魁皇は直方出身(かいおうも博多−直方間)だから、博多から行くのにはこの路線を使うのが当然か。

 折尾でまた乗客が増える。スペースワールド駅でかなり乗降が激しくなり、小倉でまた空く。

 門司港駅  12/28(木) 13:20 総営業キロ 2874.7km JR九州乗りつぶし 1615.7km

 記事を文字にして起こしたが、経路が複雑な割に写真が1枚も無い(ちなみに大分から門司港までこの経路で268.7km)。これは、私が基本的に停車駅でしか写真を撮るクセが無いから。前回なんて、序盤の肥薩線は殆んど写真だらけだったのに。

 ともあれ、いろんな路線を通ってようやく門司港到着。

門司港駅
駅舎

 門司港駅は駅前を含めて門司港レトロと謳って駅舎を含めた古い建物や街並みを保存、開発している。駅舎だけでなく街全体というところが素晴らしい。

 門司港駅のホームは長大である。これは、関門連絡船があった頃の名残だろう。おそらく連絡船があった頃は、沢山の列車(特急など)が停まっていたに違いない。それにしては現在のホームは閑散としすぎだが。駅にありがちな広告は意図的に排除しているのだろうけど。

長いホーム

 改札口の近くにはこんなものが。

連絡船通路跡

 このトンネルを通って港のほうに向かっていたのだろう。パネルに写っているのは当時の連絡船(たぶん)。

 鹿児島本線の始点である門司港に来たため、鹿児島本線は門司港−久留米と熊本−八代をつぶせた。残り(久留米−熊本)はのちほど。

 次は熊本方面には行かず、筑豊方面へ。国鉄時代から比べると多くの路線が廃線(もしくは平成筑豊鉄道に移譲)となったため、ずいぶんと乗りつぶしやすくなってるはずだ。まずは小倉駅に戻り、日田彦山線田川後藤寺駅まで行くことに。

 小倉駅  12/28(木) 13:37 総営業キロ 2885.7km JR九州乗りつぶし 1615.7km

 門司港から小倉は普通で12分。これはすぐに到着。

小倉駅

 ここから田川後藤寺行に乗り換え。待ち時間が30分ほどあるのに駅舎の写真が無いところに、この辺でのやる気のなさがおわかりいただけるだろう。いちおうランチタイムだったんで時間があるようで無かった、とだけ言い訳しておく(但し食べたのはごぼ天うどんなので時間はかかってない、という点も付け加えておく)。

 日田彦山線は正式には日豊本線が走っている城野駅(小倉から2駅)が起点なのだが、全列車が日豊本線経由で小倉駅まで乗り入れているため、基本的には小倉から乗る形が望ましい。また、日田彦山線としての終点は夜明駅だが、途中の田川後藤寺駅止まりの列車が大半で、ここで乗り換えるの形となる。ただ、今から乗ろうとしている列車は田川後藤寺で待ち合わせ1分で進行方向に別な列車が出るので乗り継ぎはすこぶる良い。

 基本的に炭鉱路線なので、山がちなところを走る。すぐそばにボタ山があるところも筑豊ならではの風景だろう(ボタ山自体は筑豊本線のほうがよく見たけど)。また、途中には採銅所駅という、なんだかそのまんまな名前もある。ただ、筑豊炭田は石炭の採掘がメインであるが。

 田川後藤寺駅  12/28(木) 15:12 総営業キロ 2921.8km JR九州乗りつぶし 1645.7km

 1時間かけて田川後藤寺着。

田川後藤寺駅

 すぐに乗り換え。日田駅行に乗り、残りの日田彦山線をつぶす。

 日田駅  12/28(木) 16:21 総営業キロ 2969.0km JR九州乗りつぶし 1684.4km

 さらに1時間かけ、日田駅に到着。朝のゆふ2号で通って以来、7〜8時間ぶりの日田。

日田駅
駅舎

 再び大分県に入ったが、この先の久大本線は既に朝乗りつぶしており用は無い。筑豊でまだ残っている路線があるので、日田からは再び日田彦山線で田川後藤寺まで戻る。

 田川後藤寺駅  12/28(木) 17:45 総営業キロ 3016.2km JR九州乗りつぶし 1684.4km

 田川後藤寺着(2度目)。小倉から1時間、田川後藤寺から日田まで1時間、さらに戻りに1時間。その他待ち合わせ等で小倉に着いてからなんだかんだでもう4時間ほど経過している。記事に起こすと大した行数じゃないのに、時間だけはすごくかかってる感じ。

 ここまでで総営業キロがついに3,000kmを突破。だいぶ周遊きっぷを使いこんでる。もう元は取っただろう(当たり前か)。

 次は、田川後藤寺が起点となっている後藤寺線に乗り新飯塚駅へ。待ち合わせ3分と、ここも絶妙な乗継。

 後藤寺線はわずか6駅(起点終点を含むので、乗車をすれば5駅で着く)。時間にしてわずか20分程度ではあるが、田川方面と飯塚方面を結ぶ短絡線として重要な存在である。日中は1時間に1本、朝夕は30分に1本程度と本数も悪くない。あたりはそろそろ暗くなってきており、だんだん車窓も見えにくくなってきた。

 新飯塚駅  12/28(木) 18:09 総営業キロ 3029.5km JR九州乗りつぶし 1697.7km

 新飯塚。ここも実際は2度目(降車は初めて)。

新飯塚駅

 あたりは真っ暗。

 筑豊本線で桂川駅まで戻る。新飯塚−桂川は福北ゆたか線の線内なので、本数は山のようにある。乗継は心配いらない。

 桂川駅  12/28(木) 18:31 総営業キロ 3035.4km JR九州乗りつぶし 1697.7km

 桂川。2度目。以下略。「かつらがわ」じゃないよ。「けいせん」だよ。

桂川駅

 と、ここまで細かく乗継時間も少なく細かく刻んできたが、次がちょっと厄介。桂川を挟んで飯塚側が福北ゆたか線なので1時間に3〜4本とかなり頻繁に走っているのに対し、今から乗ろうとする原田駅方面に行く列車は同じ筑豊本線ながらなんと1日たったの7本。日中は5時間も空いている時間があるほどの閑散路線なのである。

 とはいえ、そこはこの旅行の前から計画を立てているので、ここを基準にすればある程度の時間短縮は予定を組む段階で可能ではある。ただ、それでも桂川で30分待ちとなってしまった。

 路線の毛色が異なる、ターミナル的な役割の桂川駅であるが、市街地から相当離れているらしく、駅前はこの時間(18時半)だというのに真っ暗。タクシーも1台もおらず、自家用車で迎えに来ている人が数人(数台)。それも電車を降りた人が乗り込んだら方々に散ってしまい、5分後には人っ子ひとりいなくなってしまった。時間的に夕食を取りたいが、コンビニも無い。ただただ待つだけの30分だった。

 19時ちょうどに原田行の列車が出発。こちらは当然のように非電化。原田までは4駅だが、距離は20kmほどあり、意外と時間がかかる。途中には難所の冷水峠があり、筑豊本線はここを3kmを超える長大なトンネルで貫いている。ただでさえ暗くて何も面白くない車窓が、ずっとトンネルだと余計につまらない(だけでなく、音がうるさい)。

 トンネルを抜けると筑紫野市。でもまだ周りには何もない。筑前山家を出て、列車は原田へ。

 原田駅  12/28(木) 19:27 総営業キロ 3056.2km JR九州乗りつぶし 1718.5km

 原田。ここは何度目だかようわからん。降車は例によって初めて。

原田駅

 鹿児島本線に属する駅なので、さすがに原田は今までの筑豊本線の4駅よりは開けている。それでも、「都会」というレベルでは到底なかったが。

 ここからは、この日の最後の仕上げに。筑豊を含め北部を攻めてきたが、一気に南部へ。最終目的地は鹿児島中央駅。新幹線に2日ぶりの乗車となる。新八代まではリレーつばめとなるのだが、原田には当然とまらないので、まずは各駅で鳥栖まで。

 鳥栖駅  12/28(木) 19:39 総営業キロ 3065.1km JR九州乗りつぶし 1718.5km

 鳥栖。なぜか駅標の写真が無い。おそらく、ここで駅弁を買っていて気を取られてしまったのだろうと推測されるが、こんなしょーもないミスを…

 鳥栖からリレーつばめ61号に乗車。ただ、この時間はかなり混んでいて席が空いているかが微妙。席が空いてないと、せっかくの駅弁も食べる機会がなくなってしまう。

 なんとか2番目に並ぶことができ、乗車して一心不乱に探したところ確保できた。ようやくここで晩御飯。

 リレーつばめは鹿児島本線をひた走る。新八代まで走ることにより、鹿児島本線のうち北側がこれで制覇となる(南側である川内−鹿児島中央は制覇済)。

 新八代駅  12/28(木) 21:12 総営業キロ 3187.8km JR九州乗りつぶし 1801.2km

 新八代。リレーつばめからつばめ61号に乗り換え。「リレー」なので号数は同じ。

 リレーつばめは周遊きっぷで乗れるが、つばめ(新幹線)は乗れない。しかし、リレーつばめは新幹線ホームに乗り入れするので、切符を買うタイミングが無い。仕方なく、新幹線には乗り込み席を確保後、車内で車掌から切符を購入。端末で出してくれるショボいやつ。

新幹線の切符。計4830円也。

 鹿児島中央駅  12/28(木) 22:02 総営業キロ 3325.4km JR九州乗りつぶし 1847.3km

 鹿児島中央駅。つい2日前に「人生初上陸」をしたのに、すぐ再訪。しかも今日はここに泊まり。一気に経県値が増えた。

鹿児島中央駅

 駅標は新幹線のもの(前回は在来線のもの)。

 大分→福岡→佐賀→福岡→大分→福岡→佐賀→福岡→熊本→鹿児島。こうやって見ると結構いろんなところに行っている気がするが、「佐賀」は鳥栖あたりをちょっとかすめただけだし、最後の熊本→鹿児島はつばめに乗ってるだけだし、意外と県境は沢山越えてはいない。ただ、乗り換え回数は多かった。ゴチャゴチャした筑豊あたりを殆んど片付けられたのは大きい。乗りつぶしも87%を超え、残りは大体1/8程度。ただ、ここからは乗り残した部分があったり、未乗が点在していたりとかなりしんどくなってくるのは間違いない。

 周遊きっぷの有効期限はあと1日。果たして乗りつぶしはできるのか!?


路線乗りつぶし経過

実際の路線 乗りつぶした範囲
路線名 営業キロ 営業キロ 達成率
JR
九州新幹線 新八代−鹿児島中央 137.6 新八代−鹿児島中央 137.6 100%
山陽本線 下関−門司 6.3 下関−門司 6.3 100%
鹿児島本線 門司港−八代 232.3 門司港−八代 232.3 100%
川内−鹿児島 49.3 川内−鹿児島 49.3 100%
香椎線 西戸崎−宇美 25.4 0%
篠栗線 桂川−吉塚 25.1 桂川−吉塚 25.1 100%
三角線 宇土−三角 25.6 宇土−三角 25.6 100%
肥薩線 八代−隼人 124.2 八代−吉松 86.8 69.9%
指宿枕崎線 鹿児島中央−枕崎 87.8 鹿児島中央−枕崎 87.8 100%
長崎本線 鳥栖−長崎 125.3 鳥栖−長崎 125.3 100%
喜々津−浦上 23.5 喜々津−浦上 23.5 100%
唐津線 久保田−西唐津 42.5 久保田−山本 36.2 85.2%
筑肥線 姪浜−唐津 42.6 0%
山本−伊万里 25.7 山本−伊万里 25.7 100%
佐世保線 肥前山口−佐世保 48.8 肥前山口−佐世保 48.8 100%
大村線 早岐−諫早 47.6 早岐−諫早 47.6 100%
久大本線 久留米−大分 141.5 久留米−大分 141.5 100%
豊肥本線 大分−熊本 148.0 大分−熊本 148.0 100%
日豊本線 小倉−鹿児島 462.6 小倉−鹿児島 462.6 100%
日田彦山線 城野−夜明 68.7 城野−夜明 68.7 100%
日南線 南宮崎−志布志 88.9 0%
宮崎空港線 田吉−宮崎空港 1.4 0%
吉都線 吉松−都城 61.6 0%
筑豊本線 若松−原田 66.1 折尾−原田 55.3 83.7%
後藤寺線 田川後藤寺−新飯塚 13.3 田川後藤寺−新飯塚 13.3 100%
合計 2121.7 合計 1847.3 87.1%
私鉄
松浦鉄道 伊万里−佐世保 80.8 伊万里−佐世保 80.8 0%
南阿蘇鉄道 立野−高森 17.7 立野−高森 17.7 0%
合計 98.5

全て「営業キロ」で計算しています。
小倉−西小倉間は鹿児島本線と日豊本線で重複しています。



経費
JR 周遊きっぷ(ゆき) 7600
周遊きっぷ(ゾーン) 14500
あかつき(特急+寝台) 9450
松浦鉄道 乗車券 2020
南阿蘇鉄道 1日フリー乗車券 1000
九州新幹線 乗車券+特急券 3450
九州新幹線 乗車券+特急券 4830
小計 42850


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