第93回
JR九州周遊の旅 Vol.6

 残念ながら6日目となってしまった。わずか3.8%のために宿代と青春18きっぷ1日分(2,300円)を無駄にしてしまうこの日。いや、実際は決して無駄じゃない。これだけ乗り残して帰るほうがよっぽど無駄だ、とプラスに捉える。

 朝起きると唐津は強風。雪は降ってないが、今にも降りそうな空模様と気温。とにかく寒い。

 唐津駅  12/30(金) 6:10 総営業キロ 3935.8km JR九州乗りつぶし 2040.7km

 この日も出発は早朝。まだ日が昇っていない時間だ。

 駅に着くと、昨日はわからなかったこんなものが。

金持ち神社

 解説を読む限りでは、この駅に「金持」という苗字の駅員さんがいるらしい。手形もあったが、有名人ではないので特にありがたいとは思えない)。実際ご利益はなかった(関係者の方が読まれていましたらすみません)。

 唐津からは、博多とは逆方向の西唐津へ。残った唐津線の唐津−西唐津間2.2kmをつぶすため。6:19発の電車を待つ。

 ところが、いつまで待っても西唐津行の電車が来ない。寒空の中、ホームで震えながら待っているとアナウンスが。「本日は強風のため一部列車を運休しています」。残念ながら、その一部列車に当たってしまったようだ。時間的に唐津から西唐津に行く電車は6:19を逃すとしばらく来ない。西唐津までタクシーを飛ばすという手段もあったが、今度は西唐津から唐津までの電車が出ている保障が無い。

 選択肢もなく、ただただ唐津駅で待つ。さすがにホームは極寒なのでコンコースに降りる。その間、博多方面への電車はやたら出る。また、佐賀方面(昨日最後に乗った路線)への電車も順調で、運休はまさに西唐津行だけの様子。とことんツイてない。こうなると、昨日西唐津をつぶしておかなかったのが本当に悔やまれる。

 ようやく電車が来たのが6:50。30分以上の遅延だ。今までの5日間、遅延にほとんどぶつからず快適な旅行となったのに、周遊きっぷが切れた途端にこれだ。

 西唐津駅  12/30(金) 6:56 総営業キロ 3938.0km JR九州乗りつぶし 2042.9km

 予定より30分遅れて、ようやく西唐津。

西唐津駅
駅舎

 駅舎を撮ろうとしたが、いい絵がなかったので近景になってしまった。

 事前の調べではすぐに折り返して快速の福岡空港行(姪浜から地下鉄乗り入れ)が出ていたはずなのだが、この電車は動かない。やはりダイヤが大幅に狂ってしまったようだ。また西唐津でも待つことに。

 駅は7時から駅員が配置されるらしく、着いた時にはまだ開いてなかった。ちょうど鍵を開けているところで、今から準備、といったところか。ただ、それでも乗客自体がいないので、何にも影響がなさそうだった。駅のまわりにはやはり何もなく、その意味では西唐津を昨日の終点としなかった判断は正しかった。しかし、唐津−西唐津を残したばっかりに、これほどまでに寒い思いをしなくてはいけないとは。

 今回の旅は、宮脇俊三氏の時刻表2万キロを参考資料の1つとして使っているが、氏は私と同じように乗りこぼした唐津−西唐津間を、博多から乗った列車を東唐津で降り、タクシー移動して西唐津から唐津線に山本で博多からの同じ列車を捕まえる、というこの本の一番のハイライトともいえる大技をやってのけた。私はその旅をなぞって歩んできたつもりだったが、タクシーも使わず、ただ遅延する電車を待つだけのつまらない旅となってしまった。この格差は一体何なんだ。

 (作者註:当時の筑肥線と今の筑肥線は、線形が違います。当時は地下鉄の乗り入れもなく、また東唐津でスイッチバックを行うため、停車時間が長かったという経緯があります)

 次は唐津に戻り、唐津からは筑肥線に乗り博多駅まで向かうことに。で、西唐津から唐津に戻ろうとするのだが、肝心の筑肥線がもう走ってないので進みようがない。ただ、先述どおり唐津線は動いているようなので、佐賀行の列車に1駅だけ乗り唐津まで出ることにした。佐賀行発は7:30。また待ち時間は30分ほど。

 唐津駅  12/30(金) 7:33 総営業キロ 3940.2km JR九州乗りつぶし 2042.9km

 再び唐津。本来は、6:41に西唐津を出る福岡空港行に乗れているはずなので、6:45くらいには唐津を過ぎているはずなのだが、実際には唐津発は7:38。指宿枕崎線や日南線でこんなことがあったら目も当てられない事態になっていたかと思うと、乗り残しがわずかになった6日目に起きたということだけが不幸中の幸い。

 ようやく唐津を脱出。「唐津」って打ちすぎてPCが「か」くらいで「唐津」と予測変換するようになったくらい打ちすぎた。

 唐津から筑肥線は玄界灘沿いを走る。そのため、海風が強く、駅に着く度に開くドアが本当に恨めしい。しかも、東唐津を過ぎたあたりで、ついに雪がチラつき始めた。当然、電車も遅延し始める。これだけのことがあり疲れてウトウトしだすのだが、駅に着く度に目が覚める(寒いから)。そんな寒い冬の電車が姪浜までずっと続いたが、姪浜からは乗客も多く、且つ地下鉄乗り入れなので吹きさらしにならないこともあり温かくなってきた。すぐに眠りにつく。

 博多駅  12/30(金) 9:21 総営業キロ 3992.6km JR九州乗りつぶし 2085.5km

 日が昇り、風も止み、人も増え、唐津と比べ物にならないくらい暖かい博多。寒いのは寒いけど。あくまで唐津との比較、という意味で。博多着は20分ほど遅延。筑肥線内の遅延がちょっとずつ効いた形となった。ここまでで遅延は1時間20分。今日は急ぐ旅ではないとはいえ、釈然としない。

 残るは香椎線と筑豊本線の一部の2線。近い方からということで香椎線に乗ることに。香椎線はJRの路線で唯一、起点と終点がどちらもどこにも接していない盲腸線という非常にめんどくさい路線である。接続されているのが香椎と長者原の2駅しかない。どちらに行くのでもよかったが、香椎駅を選択。鹿児島本線に乗る。但し電車は9:51発。30分あるのでちょっとだけ腹ごしらえでパンを購入。

 香椎駅  12/30(金) 10:04 総営業キロ 4001.0km JR九州乗りつぶし 2085.5km

 香椎駅到着。ついに全行程が4,000kmを突破。3,000km突破の際には難しいと思っていたあと1,000kmがいとも簡単に走破できてしまった。

香椎駅
駅舎

 香椎駅は香椎線と鹿児島本線しかないはずだが、やたらと構内が広い。理由はよくわからんが。香椎からは起点となる西戸崎駅へ行くか終点となる宇美駅へ行くかの選択をすることになるが、次の列車がどちらに行くにも同じ時間に出るので(おそらく香椎で行き違いも兼ねているため、そのようなダイヤを組んでいるためと思われる)どちらから乗っても変わりはなかったが、今回も特に意味は無く西戸崎駅行を選択。

 香椎線乗り換えに20分ほどあったので駅を出ようとしたら、九高口という出口がある。見てみると、駅のそばに九産大九州があるらしい。なんでんかんでんの社長もこの出口を利用したのだろうか。

 香椎駅の、鹿児島本線の隣の駅が九産大前駅。香椎線には九産大前の駅は無い。線路は鹿児島本線と隣接してるのに。しかも、九産大は香椎線のほうが近い。なんのこっちゃよくわからん。なんか歴史的背景でもあるのかしら。

 しばらくして香椎線が鹿児島本線と並走している国道495号線を高架橋で超える。しかし、この橋が古めかしく赤茶けて、実に危なっかしい。おそらく歴史のある橋なのだろう。香椎線自体も歴史ある路線(すでに開業100年を超えている)であることからもそれがうかがえる。

 鹿児島本線を離れると進路は西に。玄界灘と博多湾に囲まれた海の中道を走ることになる。雁ノ巣駅ではソフトバンクの二軍がある雁ノ巣球場が見えるかと思ったが見つけることができず。それにしてもこの旅は球場の近くをよく走る。私が野球好きだから単に気づくだけかもしれんが。

 雁ノ巣を出たあたりで、駅でもないのに対向列車が停まっていた。明らかに客も乗っており、運行中の列車にも関わらず、である。故障でも発生したのかな、と思いこの場ではあまり考えずにやり過ごす。

 西戸崎駅  12/30(金) 10:43 総営業キロ 4013.9km JR九州乗りつぶし 2098.4km

 西戸崎駅到着。

 

西戸崎駅
駅舎

 10分ほどで乗った列車が折り返すので、すぐに乗り込む。西戸崎から西に行くと、金印が発見されたことで有名志賀島があり、行ってもよかったが手段がよくわからなく時間も読めず、島内の移動手段もわからないのでやめた。福岡市内だし、行く機会もすぐあるだろう(現在のところまだ行けてないが)。

 今度は逆側。終点の宇美駅まで1本で行く。

 途中、海ノ中道駅を過ぎたあたりで列車が停まる。で、アナウンス。「列車行き違いのため停車します」。最初は気づかなかったが、どうやらこれが西戸崎行に乗った時に見ていた「運行中なのに停まっていた列車」の正体らしい。なんでまたこんな中途半端なところに行き違い施設が存在するのであろうか。

 帰りに再度雁ノ巣球場を見ようとトライしたが、やはり見られず。駅前がある程度住宅があり、見通しがよくないのが原因だろうか。物理的な距離もあるのかもしれないが(球場は駅から500mくらいあるらしい)。

 香椎駅に到着し、さらに西戸崎行をやり過ごして未乗の南側へ。しかし行き違いの多い路線だ。複線化の計画は無いのだろうか。でも長者原駅では行き違いなし(1線しかないため)。長者原駅では香椎線が高架、篠栗線が地上ホーム。でも福北ゆたか線のおかげで篠栗線のほうが大きく電化もされている。格差社会。

 宇美駅  12/30(金) 11:53 総営業キロ 4026.4km JR九州乗りつぶし 2110.9km

 宇美駅。25kmほどの路線なのに、行き違いが多かったり最高時速が遅かったりで、1時間を要した。

宇美駅/font>
駅舎

 これで香椎線もクリア。残るは筑豊本線の乗り残し、わずか10.8kmとなった。乗りつぶし率も99.5%となり、あとたった0.5%。

 宇美駅はかつてあった勝田線の乗換駅だったが、その遺構はこの駅には全く残っていない。それは、香椎線と勝田線は同じ「宇美駅」なのに100mほど離れているためである。宮脇俊三氏も乗り換えには苦労をしたらしく、そのエピソードはやはり時刻表2万キロに記載がある。

 結局現在は盲腸線となっているので、来た道を戻る。

 香椎駅  12/30(金) 12:38 総営業キロ 4038.9km JR九州乗りつぶし 2110.9km

 再び香椎駅。香椎線25.4kmを乗りつぶして戻ってくるのに2時間半かかった。とんでもなくめんどくさい。これが最後にこの線を残してしまった最大の理由。そう思えば日豊本線の462.6kmなんてほぼ一瞬だったなぁ。殆んど寝てたけど。

 ここからはまた鹿児島本線。最後の筑豊本線を乗るべく折尾駅まで移動。

 折尾駅  12/30(金) 13:37 総営業キロ 4026.4km JR九州乗りつぶし 2110.9km

 折尾駅。福北ゆたか線経由で博多から門司港に行った際に通って以来2度目。降りるのは初めて。

折尾駅/font>

 ここから筑豊本線の若松駅行に乗り換え。

 折尾駅は筑豊本線と鹿児島本線が交わる駅だが、筑豊本線は折尾より南側のみが福北ゆたか線となっており、北側の若松行は電化すらされていない。福北ゆたか線があるおかげで、折尾駅手前から筑豊本線は鹿児島本線へと結ばれる短絡線が存在するのだが、それが駅の構造をより複雑にしてしまっている。

 折尾駅は2階建て構造となっており、1階が筑豊本線、2階が鹿児島本線の駅になっているが、短絡線上にもホームがある(これが福北ゆたか線のホーム)。この乗り換えは、一度改札を出ないといけない上、距離が150mほど離れている。ただ、あくまで短絡線上のホームであるために「福北ゆたか線のホーム」ではあるが、厳密には「筑豊本線のホーム」とは言いづらい。これは、若松側へ向かう列車はここを通らないからである。

 私はこれから筑豊本線には乗るが、福北ゆたか線には乗らない。従って、この離れたホームに行く必要は全くないのだが、当時私はそれを知らず、乗り換えには改札を一度通る必要があると思っていた。駅を出る時念のため駅員に聞いて初めてわかったことである。もっと構内の案内をちゃんと見ておけばよかったのだが。切符の特性上、自動改札を通れないため有人改札を通ることになり、そのおかげで聞く機会があったことに関してはツイてるとは言えるが。

 ともあれ、結果的には2階から1階に降りるだけの移動で済んだわけだが、トイレに寄ろうとしたところで列車が来てしまい、慌てて乗り込んだのには参った(若松行は1時間に2本で、且つ30分おきではなく、これに乗り遅れると折尾で40分待ちだった)。残りが少なくなり気が緩んだ証拠である。

 最後の路線となった筑豊本線は音をたてながら、しかしおごそかに進む。電化はされていないが複線ではあり、運行はスムーズであった。

 若松駅  12/30(金) 14:03 総営業キロ 4037.2km JR九州乗りつぶし 2121.7km

 14時過ぎ、ついに若松駅到着。

若松駅
駅舎

 駅舎の上には駅名が入った看板があるが、なぜか電話番号が明記されていた。

 若松駅に降り立った際、感動でむせび泣くかと思っていたが、疲れと尿意があり、思ったほど感動は大きくはなかった。最後まで尿意が邪魔をしたのは実に私らしい。

 全行程4,000kmを超える旅だが、これで終わったわけではない。ここはまだ九州なのだ。大阪の自宅に戻らなければならない。ただ、時刻は14時過ぎ。このまま新幹線で直接帰ってしまうと、エクストラで使用している青春18きっぷも多少勿体ない。そこで、4日目に見た門司港に行って観光をし、小倉から新幹線で帰る計画にした。

 ただ、まずは若松から門司港に出なくてはならない。筑豊本線も若松側は盲腸線になっているため、門司港に行く最短ルートは折尾経由である。しかし、もう乗りつぶしに縛られない私が取ったルートはJRではなく、ことあるごとに裏金産業の旅程で度々登場する渡船である。

 若松駅から東に行くと、洞海湾に面する。ここの対岸には戸畑区があり、戸畑駅までは若松駅から直線でも1kmほどである。洞海湾を渡りさえすれば戸畑に行くことができ、戸畑駅からは鹿児島本線に乗れば門司港まで1本である。洞海湾には若戸大橋がかかっており、車で移動することは難しくないが、この橋には歩道がない(かつてはあったらしい)。従って、最短距離となるとこの橋の下を通っている渡船を頼るのが一番なのである(ちなみに渡船は橋がかかるずっと前から存在している)。

 若松駅から渡船場までは徒歩で10分程度。駅前よりも街並みが整備されていてキレイだった。

 若松渡場  12/30(金) 14:12 総営業キロ 4037.2km JR九州乗りつぶし 2121.7km

 渡船場には迷わず着くことができた。

若松渡場
若松側から戸畑側を臨む

 渡船は15分に1本。出てしまったばかりのようで、渡船場には人っ子ひとりいない。周りに時間を潰せそうなところが無いので、戸畑からの時間を確認しつつ待つ。最終的には数人の乗客がいたようだが、若戸大橋が歩いて渡れない以上、もう少し需要があると思っていただけに乗客の少なさにびっくりした(いちおう若戸大橋上は路線バスが走っているそうだが)。

 大阪の渡船と違うところは、無料ではないところ。渡船場には切符売場があり、大人は100円だった。自転車を乗せる人は50円プラスで150円となる。

乗船券。100円也。

 乗船時間は数分。これはどこの渡船でも変わらないか。戸畑渡場からは若松側ほど歩かず、5分程度で戸畑駅に着いた。

 戸畑駅  12/30(金) 14:26 総営業キロ 4037.2km JR九州乗りつぶし 2121.7km

 戸畑駅。何度も通ってはいるが、駅に入るのは初めて。

戸畑駅
駅舎

 駅前には大きなショッピングモール。併設されている駐車場も、政令指定都市の区の名前が付くような大きな駅とは思えないほど広大な敷地だ。

 昼飯がまだだったので、ショッピングモール内にあるSATYで軽食を購入。サクッと食べ、次に備える。目指すは門司港駅。  門司港駅  12/30(金) 15:21 総営業キロ 4054.4km JR九州乗りつぶし 2121.7km

 2度目の門司港駅。

 今度は時間があるので駅前を…と思ったが、実は行きたいところが別にある。駅に併設されている九州鉄道記念館である。鉄道記念館と言えば大宮にあるものがつとに有名だが、この鉄道記念館も実は面積も広大でかなり見どころがある。入場料も300円と本家?に比べて割安である。

 例によって行く道がわからないので駅員に聞こうとしたが、ホームから昔の車両と思しきものが見えるのでそれを頼りに進むことに。すると、前回門司港を訪れた際にはわからなかったものがあることに気づく。

 こちらは九州の鉄道の原点ということで建てられた0哩の碑。3番線と4番線の間にある。

0哩表示

 実際の鹿児島本線の起点を表す0キロポストは線路の脇にある、通常の白い四角いものであり、こちらはあくまでも記念碑である。

 九州鉄道記念館  12/30(金) 15:45 総営業キロ 4054.4km JR九州乗りつぶし 2121.7km

 入口で入場券を購入。先述どおり300円。

入場券

 もぎる前に写真を撮ればよかったが忘れており、手元に残っているのはもぎられた後のもの。

 入場後、門司港駅側を見ると、国鉄となる前、九州鉄道時代の駅を再現した門司駅があった。ちょっと遠いけど撮影。

昔の駅名標

 入場券に写っていたキハ07もあった。静態保存のようで、動かないらしい。ただ、中は見学自由だった。

キハ07

 その後ろには(上の写真にもわずかに写っているが)、国鉄の特急型車両。ヘッドマークが「にちりん」なので、日豊本線を走っていたものか。

特急型車両

 同じく特急型ではあるが、寝台車を備えたものもいた。ヘッドは写真にないが、行先表示に「月光」とある。寝台特急だった頃の月光で、車両もいわゆる「月光型車両」の581系。

581系「月光」

 ちなみに寝台自体は動かなかった(固定されていた)。

 その他蒸気機関車も2台いた。動態かどうかは不明。

 車両展示だけでなく、「記念館」というだけあって本館には展示物と運転シミュレータがあった。ただ、写真が1枚もない。撮影禁止だったかどうかは覚えていない。仕方がないので入口の看板でお茶を濁す。

看板

 全体的にレトロ感満載で、門司港駅の駅舎のレトロさと街並みのレトロさとが相まって町おこしとしては大成功の部類に入るだろう。門司港駅も景観を損ねないような配慮があり(自動改札が目立たない色に塗られている、駅員の制服がこの駅だけ違う、など)、ここだけで1つの観光地として成り立っているような様であった。

 ただ、街並み自体を回るほど興味があったわけではなく、疲れもあり大阪への帰途も考えていたことから、駅と記念館だけにして門司を後にすることにした。小倉駅へ戻る。

 小倉駅  12/30(金) 16:30 総営業キロ 4065.4km JR九州乗りつぶし 2121.7km

 小倉到着。ここももう何度目だか。

 この日は12/30だっただけに、時間があればKEIRINグランプリを購入するべく小倉競輪場に行くところであるが、小倉に着いたのが16時半とレース直前であり間に合わないことから断念。行きたいのであれば九州鉄道記念館を無視してでも行ってたが、どうしても買いたいレースというわけでもなく、今回は鉄道ネタを優先した。

 小倉で大阪に戻るべく新幹線の席を確保。いよいよ旅もこれで終わりとなる。年の瀬ではあったが東京方面の指定は簡単に確保できた。16:52発のひかり472号レールスターで新大阪へ。寝て帰りたいため、当然のごとく4号車(=サイレンスカー)を選択。

 新大阪駅  12/30(金) 19:20 総営業キロ 4620.5km JR九州乗りつぶし 2121.7km

 12/30の晩19:20、新大阪に戻ってきた。これで今回の旅行は終了となった。

 行程はほぼ丸6日間、距離は結局4,620kmを走破。乗りつぶしが2,121.7kmなので、乗りつぶし分の倍は走ったことになる。ただ、そうは言っても大阪と九州の往復が1,000kmほどあるので実際はそれほど無駄ではないと思うが。九州内では新幹線に3度も乗車することになったり、それ以外にも鉄道以外でいろんな乗り物に乗ったり1日分余計に宿代と青春18きっぷが必要だったりと、時間以上に金のかかる旅となってしまった。トータルの経費は下記にもあるが、宿代を抜いた「運賃」だけで64,680円。宿代を入れたらおそらく10万円くらいにはなるだろう。しかし、それ以上に社会人の貴重な冬休みという時間を使ってこんなアホなことをやった人間の足跡がこのようにして刻まれたことは金や時間では語れない、得難いものである(いや、それほど高尚なものでもない気もする)。

 全6回に渡りお送りした九州の旅、いかがだっただろうか。もし真似したい、こんなところにも行ったほうがいいんじゃないか、お前ホンマにアホやなぁ、というご感想や忌憚なきご意見があれば私まで。甘んじて受けます。反省はしません。それが裏金産業クオリティ。

 さて、次はどこに行こうかな。


路線乗りつぶし経過

実際の路線 乗りつぶした範囲
路線名 営業キロ 営業キロ 達成率
JR
九州新幹線 新八代−鹿児島中央 137.6 新八代−鹿児島中央 137.6 100%
山陽本線 下関−門司 6.3 下関−門司 6.3 100%
鹿児島本線 門司港−八代 232.3 門司港−八代 232.3 100%
川内−鹿児島 49.3 川内−鹿児島 49.3 100%
香椎線 西戸崎−宇美 25.4 西戸崎−宇美 25.4 100%
篠栗線 桂川−吉塚 25.1 桂川−吉塚 25.1 100%
三角線 宇土−三角 25.6 宇土−三角 25.6 100%
肥薩線 八代−隼人 124.2 八代−隼人 124.2 100%
指宿枕崎線 鹿児島中央−枕崎 87.8 鹿児島中央−枕崎 87.8 100%
長崎本線 鳥栖−長崎 125.3 鳥栖−長崎 125.3 100%
喜々津−浦上 23.5 喜々津−浦上 23.5 100%
唐津線 久保田−西唐津 42.5 久保田−唐津 42.5 100%
筑肥線 姪浜−唐津 42.6 姪浜−唐津 42.6 100%
山本−伊万里 25.7 山本−伊万里 25.7 100%
佐世保線 肥前山口−佐世保 48.8 肥前山口−佐世保 48.8 100%
大村線 早岐−諫早 47.6 早岐−諫早 47.6 100%
久大本線 久留米−大分 141.5 久留米−大分 141.5 100%
豊肥本線 大分−熊本 148.0 大分−熊本 148.0 100%
日豊本線 小倉−鹿児島 462.6 小倉−鹿児島 462.6 100%
日田彦山線 城野−夜明 68.7 城野−夜明 68.7 100%
日南線 南宮崎−志布志 88.9 南宮崎−志布志 88.9 100%
宮崎空港線 田吉−宮崎空港 1.4 田吉−宮崎空港 1.4 100%
吉都線 吉松−都城 61.6 吉松−都城 61.6 100%
筑豊本線 若松−原田 66.1 若松−原田 66.1 100%
後藤寺線 田川後藤寺−新飯塚 13.3 田川後藤寺−新飯塚 13.3 100%
合計 2121.7 合計 2121.7 100%
私鉄
松浦鉄道 伊万里−佐世保 80.8 伊万里−佐世保 80.8 0%
南阿蘇鉄道 立野−高森 17.7 立野−高森 17.7 0%
地下鉄 姪浜−博多 9.8 姪浜−博多 9.8 0%
合計 108.3
その他
大隅交通バス 志布志−垂水港 不明
フェリー 垂水港−鴨池港 不明
渡船 若松港−戸畑港 不明

全て「営業キロ」で計算しています。
小倉−西小倉間は鹿児島本線と日豊本線で重複しています。



経費
JR 周遊きっぷ(ゆき) 7600
周遊きっぷ(ゾーン) 14500
周遊きっぷ(かえり) 7600
あかつき(特急+寝台) 9450
青春18きっぷ1日分 2300
新幹線(指定) 5440
松浦鉄道 乗車券 2020
南阿蘇鉄道 1日フリー乗車券 1000
九州新幹線 乗車券+特急券 3450
九州新幹線 乗車券+特急券 4830
九州新幹線 乗車券+特急券 4830
大隅交通バス 乗車券 1200
フェリー 乗船券 360
渡船 乗船券 100
小計 64680


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