第29回
青葉城恋唄

 前回、東京駅でサークル連中と飲んだ話をしたのだが、その後、22時から先輩の車で仙台旅行に行くことになっていた。先輩は仙台出身で、今回はその先輩の実家にお世話になる(寝床だけ貸していただく)ことになっていた。

 8/18(日)、22時。御徒町駅近くの昭和通り(国道4号線)で待ち合わせ。ここから、仙台までの長ーい戦い!?が始まる。会社の人なので、盛り上がるネタは少ないのであるが、この人、仙台の出身からか、それとも常日ごろから私がロッテのネタを吹いているせいか、すっかりロッテファンである。今回のメインは、仙台宮城球場のロ−近戦観戦であり、発起人も彼である。この日、私はロッテ戦を見終えた後なので、今日の試合はあーだこーだ言うていた。また、長丁場故に、ネタを腐らせないため、ロッテに限らず、いろいろな話に派生をさせていた。仙台での観光の敢行はどこにすべきかも話し合っていた。

 時間が経過して8/19(月)。ずーっと4号線を北上していたのだが、先輩のあまりの空腹にうどん屋に立ち寄る。栃木、上三川である。店の名前は忘れたが、栃木、茨城界隈でフランチャイズの店らしい。立ち寄った時間が0時であったが、1時まで営業しているようである。得得みたいやな。しかし、前述通り、私は飲みに明け暮れており、店を出てから2時間しか経過していない。酒に弱い私は基本的に飲みに行っても酒を飲まず、食べてばっかりであり、すぐに腹がたまる。それでいて2時間後にうどんである。なんちゃら家とかなんちゃら亭とか、わりとサクっと食べられる24時間営業の店が少なかったし、先輩はかなりの空腹だったようなので、ここはうどんならいいと思い、とりあえず店内へ。すると、客は1組。しかもバリバリの栃木弁。関東を脱出しているようで心地良い。また、店内のBGMは、うどん屋からか、和風な感じ(琴だか三味線だかの演奏)であったが、よくよく聞いてみると、歌はキャンディーズであった。すばらしい!まるで、私が来たから変えたか、私を待っていたかのようなBGMである。その選曲のセンスに素直に脱帽である。栃木のうどん屋で誰がキャンディーズを予想できるであろうか。ちなみに注文は、「サラダうどん」なるものであった。サラダ仕立てなので、かなりヘルシーに見え、サラサラっとたいらげてしまった。味も文句無し!横浜はラーメン激戦区なので、こういううどん屋があってほしい。このサラダうどん、先日GUSTOに行ったらほぼ同様のものがあり、500Kcalぐらいあるらしい。何気にカロリーあるのね。具として入っているシーチキンのせいやろか。

 上三川を過ぎ、東北本線沿いを走る。宇都宮を越えると閑散とした田舎道である。4号線と言えども、やはり都会と田舎の差は出てしまう。おしゃれな青山通りと、厚木の生活道路が共に国道246号なのと同じようなものであろう。しばらく行くと氏家に。私が小学校2年生から、卒業まで住んでいた街である(実際はとなりの喜連川であったが、最寄駅は氏家である)。駅前に来ると面影をうっすらと思い出す。5年も住んでいれば、さすがに覚えがあるってもんである。しかし、暗かったせいか、駅前のほんの一部しか思い出せないのはちょっとショックであった。時間があれば、うちの町にも寄ってみたいのだが、今回は一人ではないのでしょうがない。今度来た時に探検?することにしよう。今度は無い可能性が高いが。

 さらに2時間ほどで、福島市内へ。福島競馬に行ったのが6/15であるから、ほぼ2ヶ月ぶりの福島である。まさか、こんな短いスパンでまた福島を訪れようとは…。当時は予想だにしなかった。時間が時間なので、町並みは違ったように見えたのであるが、前回同様、「お好み焼、ジンギスカン、焼魚」の看板もバッチリ拝見!またこの看板が見られるとは、驚きである。前回は書かなかったが、競馬場近くに「エステ パラダイス」という、かなり怪しげなエステ(風俗なのか、本当にエステやってるのかどうかもよくわからん)も健在であった。2時であったためか、店は明かりが見えなかったが、前回も閉まっているように見えたので比較が難しい。また、さんぎょーとマックさんのみご存知かと思うが、福島市内では、「前方信号赤」の電光掲示板が信号の少し手前にあるのだが、この掲示板は青の時にどうなっているのか、という疑問が発生していた。今回は確かめられる絶好のチャンスや!と思い、注意深く見ていたが、よくわからない。当惑していると、前方の信号がおあつらえ向きに赤に。すると、闇に浮かぶ「前方信号赤」の文字。つまり、青の際には何も表示されないのである。さんぎょー、おわかりいただけたであろうか?

 途中、いくつかの道の駅&コンビニを経て、4時半ぐらいに仙台入り。空は白んでいた。22時に東京を出発して約8時間半。途中、食事タイムやしっこタイムがあったり、1車線で前をノンビリ走る車を追い抜けずに時間をくってしまったことなどを考えると、妥当な時間であろうか。先輩の家に到着した時は5時半。夜は完全に明けていた。

 この間、ずーっと運転手だった先輩はお疲れモードの様子で、まずは仮眠を取ることに。しばらく寝て昼に起床。今日はロッテ戦は無いので、市内観光に明け暮れることにしようとするが、行きたかった場所(博物館、美術館、科学館系)は、大概が月曜日が定休日であることを知り、ガッカリ。まる1日使える日はこの日しかなかったのに、残念である。ちょっと遠出をして松島に行くことに。仙台から車で1時間ちょいの所にあるようだ。もっとずーっと遠くを予想していたのだが、なかなか近いもんである。地図で場所を確認してみると、確かに近い。途中に何も無いのは気がかりだが。また、他県に目を向けると、山形に「尾花沢市」の文字が。おお、尾花沢と言えば、琴ノ若ではないか。感動。しかし、先輩にそのネタを振っても見向きもされず。相撲ネタは危険である。

 松島では、五大堂と瑞巌寺へ。どこもかしこも伊達家所縁の品品&土地である。松島からは遊覧船が出ていたが、生憎の悪天候と、時間との関係で断念。代わりに、見晴らしのいい高台から松島を一望。さすがは日本三景の1つである。絶景かな、絶景かな。

 松島から仙台に戻るとすでに晩飯時。ここは仙台、牛タンを食べなければ、ということでるるぶだけを頼りに「利久」という店へ。仙台ではチェーン店が何店舗かある、それなりに知られた店のようである。店前には長蛇の列(といっても10人ぐらいだが)。私はご飯を食べるのに、「並ぶ」という行為が基本的に嫌いである。しかも小雨の中、店の外で待たされる。夏とは言え、仙台でTシャツ1枚で小雨の晩では風が肌寒い。20分ぐらい待たされてやっと店内へ。で、オーソドックスに「牛タン定食」を注文。ご飯がデフォルトで麦飯らしいので、ついでにとろろも。店のメニューには、ランチ時には少し割安なような価格表示がしてある。昼にランチで牛タン定食とは、かなり贅沢の部類に入るような気がするが、仙台っ子はそれがフツーなのだろうか。しばらくして牛タン定食到着。まず、タンの厚みがかなり違って驚く。焼肉屋にあるような薄っぺらいタンではない。かなりの厚さである。1cmはゆうにある。これが仙台のタンかー、と納得。しかも焼き方はレアのようで、真中がほんのり赤い。柔らかそうである。想像していたタンとまるで違う。さらにテールスープもついてくる。これで1300円である。タンの希少価値がようわからんが、厚みとかからして、採算が合うのか、店側のことが気になってしまう。肝心の味はと言うと…。ウマい!特製のタレで焼いているので、焼肉屋の塩味とは違うのだが、タンの厚みがやはり食べ応えがあって、すんなり入っていく。テールスープもダシがとれていて美味しい。一気にたいらげてしまった。仙台市民は、ちょっと街に出るとこんないいものが食えるとは、幸せ者である。ラーメン一辺倒の横浜は、少し見習って欲しい。崎陽軒は許すが。

 寝グラに帰ってメールを確認。すると、「カンファレンス参加おねがい」という件名のメールが。見ると、「サンノゼ行ってきて」と。恐ろしい。そういう大事なことは、メールじゃなくて直接言うてほしいものである。あまりにサラっと書いてあるので、読み飛ばすところやったわ。で、9/27から1週間ほど、海外出張というハメになった。人生初の海外である。ウルトラの時申請したパスポートが、4年の歳月を経て今ようやくその日の目を見ることができた。  翌20日(火)。朝起きて午前中にいろいろ回る予定が、かなり寝坊して昼に起床。これであまり遠出できなくなってしまったので、しょうがなく青葉城の探索となった。青葉城は形が残ってはいないのだが、政宗の像と歴史資料館みたいなのがあり、いちおう青葉城がどういった役割でどんな感じであったのかは理解できた。先輩は歴史に詳しく、また仙台出身なので、ヘタなガイドよりよっぽどタメになった。素晴らしい。私は郷土(静岡)のことはほとんど知らないが、愛国心ってのは忘れてはいけないと思う。ただ、私は「日本」という国に対する愛国心はあまりないのは事実で、一般的な日本人のナショナリズムも嫌いである。国際イベントの時だけはしゃぐヤツは最低である。青葉城の櫓跡からは仙台の街を一望できた。かなり広大な平野のようである。統治するのも大変そうである。駿府なんか、山だらけであったし、もとより城下町というより宿場町の色が濃いので、城があった(駿府城)と言ってもかなり違うんやなー、と実感。

 青葉城より仙台球場に向かう。時刻は2時半を過ぎていた。以前から、何度も書いているが、ロッテファンは人数だけはやたら多いので、主催試合でライトに座りたい席に座るのは、至難の業である。増して、3時間前にまだ球場に到着していないとなればなおさら。我々が到着したのが、3時チョイ過ぎ。宮城球場は運動公園の一部なのだが、その運動公園に車を停める。草薙球場での試合の時は、一切の駐車場を開放していないのに、宮城は素敵である。しかも1000円。良心的である。仙台バンザイ!っとうかうかしてられない。早速チケット売り場へ直行。すると、なんとまだ当日券は発売されていないとのこと。千葉では3時間10分前に売り出すのが普通であったので、勘違いをしてしまった。しかも、並んでいる人が10人ぐらいしかいない。売場はここだけのようであるので、つまりは10人しか前にいないってことである。心配して損した。コンビニでゲンダイと飲み物を買って列に並ぶ。ゲンダイは盛り場ニュースが歌舞伎町と書いてあるので見る気を失った。地方色がまるで出ていない。つまらん。3時半にポイントカードのポイント発行が開始。早速加算。ロッテ主催の試合では、ファンクラブ会員だと、1試合観に行くと1つピンバッジをくれるのだが、仙台ではなんと2個くれるらしい。太っ腹である。その2個は「仙台へようこそ」みたいなものと、宮城出身の小坂のものであった。まあ想像通り。変にひねりが無くてよろしい。

 4時にチケット発売&開門。宮城球場は外野が芝生なので、みんな敷物を持ってきている。我々は2人だし、敷物は新聞で充分。ただ、風がかなり強いので(千葉マリンほどではないが)、常に尻に敷いておかないと飛ばされてしまうのが難儀である。会場設営のゴミ袋が試合前に1,2個舞っていたのが印象的であった。

 宮城球場に入って、まず目についたのが「萩の月」の看板。こんなところは地方色豊で大変よろしい。隣の看板は日東紅茶。それにTBC(東北放送)。なかなか楽しい。で次の看板…。

「河北新報普及センター」

 河北新報と言えば、競馬のレースでしか知らない。福島の芝1200mである。しかも「普及センター」って何やねん!突っ込みどころ満載で何も言えない。って競馬知ってる人には何てことないだろうし、家で河北新報取ってる人もおるやろうし…。そういえば、来る途中、ラジオで盛んに「河北新報ニュース」をやっていたのを思い出す。東北ではメジャーらしい。ではしょうがない。

 5時半、スタメン発表。宮城はスコアは電光なのだが、スタメンの表示は手書きである。ウグイス嬢に合わせて表に出すのだろうが、その準備のため斜めに置いてあり、丸見えであった。その肝心のウグイス嬢の声は外野に聞こえにくく(スピーカーが内野にしかないから)、ちっとも連携が取れていないところが笑える。地方試合だからしょうがない。草薙もしばらく前まではこんな感じだった(スコアも手書きだった)が、パリーグ東西対抗をやりだしてから調子に乗って電光掲示板にしてしまった。話を宮城に戻すが、宮城ではスタメン枠が9つしかないので、守備の時にはDHのところにピッチャーを入れ、逐一入れ替える、という手間のかかる作業が強いられるのである。なので、試合開始寸前に来て隣に座った女の子は、「4番ミンチーだってー」とはしゃいでいた。ムリもない。しかし、ホンマにここはプロのフランチャイズが置かれていたところなのか?施設(スプリングマンのことではない)や設備の悪さを見て、近年の球場とのあまりの違いにおどろくばかりである。ライトはマリンと同様、白いロッテファンで埋まっていたのだが、ふと内野(1塁側)に目をやると、ベンチの上あたりには、ピンクのロッテファンとクリーム色のロッテファンがチラホラ。ここでは、かつてロッテが仙台にいたという事実を見た気がする。長いことファンやってる人もいるんやなー。あのガム食ってるマスコットを見た時は感動したわ。

 というわけでスタメン発表。近鉄、1番(右)礒部、2番(ニ)高須、3番(左)ローズ、4番(三)中村、5番(指)川口、6番(一)吉岡、7番(中)大村、8番(遊)阿部、9番(捕)的山。まあミンチーが先発やったら妥当なスタメンか。それにしてもチームでこの前日まで129本のホームランを打っている近鉄メンバー。どこからも点が取れる打線は魅力である。3番4番で66本。対してロッテはチームでこの前日まで68本。ヒドイねえ。ロッテスタメン。1番(遊)小坂、2番(中)サブロー、3番(一)福浦、4番(指)メイ、5番(三)初芝、6番(右)立川、7番(左)諸積、8番(捕)清水将、9番(ニ)渡辺正。弱そう…。ボーリックが(この時点では)いないのが痛い。いても今年前半のような動きならばいらないが、それでも迫力に欠ける。

 試合開始。1回表はミンチーの素晴らしい立ち上がりで三者凡退。その裏、小坂がまず地元でいきなり左前ヒット。サブロー送ってクリーンアップへ繋ぐも、福浦左飛、メイ中飛でチェンジ。いつものロッテである。2回表。三者凡退。んで裏に初芝が快心の12号先制アーチ。最近、すこぶる調子のいい初芝。おかげで、渡辺正はともかく、伊与田が二軍に落ちている。ロッテの三塁の壁は厚いのだ!西村ほどではないが。後続は続かず、1点どまり。しかし、この日はミンチーの調子がよく、3回も3人でここまでパーフェクト。3回から、応援団の指揮を取る人が代わったのだが、この人がかなりおもろかった。いきなり、選手に話し掛けたり、その辺のガキに音頭取らせたり、挙句の果てには、トランペット抱えて外野と内野のフェンスよじ登って内野に行ってもうた。そばには警備員がいたのだが、止めるどころか、フェンス登る際に落としてはいけないと思ったのか、トランペットを持っててあげる優しさを見せる。ホームグラウンドではありえへん光景。これも地方のいいところ?

 試合は進んで5回裏。先頭の諸積が右中間を破る二塁打!ロッテでは手を大きく振って「○○ヒット!」(○○は選手名)という応援があるのだが、諸積は7月ぐらいから、何故か音楽がスペランカーになっている。いろんなソースからパクっているロッテ応援ならではである。積極果敢に次の塁を試みる姿勢と、実はケガにすんごく弱いというところが主な原因だろう。いや、ホンマにそんな理由でスペランカーにしたとしたら、応援団のセンスの良さに感服する。「弱いが果敢」=スペランカーという図式がすんなり出てくる私も私だが。ちなみに、諸積のフツーの応援歌はみなしごハッチである。話またそれたー。清水将の遊ゴでランナー動けず1死2塁。しかし先発バーグマンがまさかのボークでモロが3塁へ。よっしゃ、これでチャンス!続くは渡辺正人。その2球目にスクイズ!しかし惜しくもファウル。9番やし、打力がそんなにない正人やから、ここはスクイズもしょうがない。でも追い込まれる。で、フルカウントになるのだが、その後見事に右中間を破る3塁打!これで2-0.続く小坂が故郷に錦を飾るツーベースでさらに1点。この回は2典、失礼2点で3-0。ミンチーの出来からしてこれは勝てる!

 6回裏。先頭のメイがレフトにホームラン。風が右から左に強く吹いている(甲子園の浜風のような感じ)なので、レフトにはよく伸びそうだ。しかも両翼が91mしかない宮城球場。神宮並みやな。で、初芝、立川倒れて、モロが四球。続く将海が…打ってしまうんだ、レフトへ今期1号。青学時代は井口を差し置いて4番を任された男。広島ホームランみたいのであった上、風にも助けられた感じだが、ともかくホームラン。6-0。ライトはお祭り騒ぎ!前述の応援団の兄ちゃんが、トランペット持っていきなり「はぐれ刑事純情派」のテーマソングを吹きだしたのには笑った。でも、結構ノれるのよね、あの曲。ファンはアカペラで「ラララララーラーラーラーラララー」とはぐれ刑事歌うし(無論、私も、だが)。回が終わると、今度はなんと「青葉城恋唄」!なんでこの曲をトランペットで吹けるのかは疑問だが、これも大合唱。しかも、仙台だからか、ライトの8割9割(子供除く)が歌を知っていてちゃーんと歌ってるし(無論、私も、だが)。7回表にノリが28号で1点を返される。で、その裏には、近鉄は静岡高校出身の高木がマウンドへ。左腕の1試合最多奪三振の甲子園記録を持っている、あの高木である。ここはロッテも楽勝ペースなので、高木に頑張ってほしい。甲子園見ていて、「こいつはバケモンや!」と思ったのが3年前。月日が経つんは早いもんや。ちなみに、甲子園では高木は背番号16でした。その高木がピシャリ。もう、最高。ロッテ打線を抑えてもあまり自慢にならないが、抑えないより全然いい!是非、同期入団の岩隈を抜いてくれ!あ、7回はラッキーセブンということで、昔の応援団長が式を執っていた。ロッテが仙台にいたころの団長らしい。年の頃は50ぐらい。しかも、応援と言っても三三七拍子とポケットに忍ばせていた紙吹雪のみ。ああ、こういう応援の時代もあったんやなーとしみじみ。古き良き時代である。温故知新。ところで、ロッテは三三七拍子をやろうとすると三三六拍子になるのをご存知だろうか。これは、「ピッピッピッ、ピッピッピッ、ピッピッピッピッピッピッピ」ではなく、「ピッピッピッ、ピッピッピッ、ピッピッピッピッピッピッロッテ」となるからである。どうでもいいな、こんな話。でも、ロッテファンには大事な話。

 その後、何事もなく淡々と試合あ続く。8回にロッテは立川のツーベース、モロの四球でチャンスを作るが、将海が確変終了のため、アッサリ凡退。9回は藤田がマウンドへ。と、今度は応援団の兄ちゃん、トランペットで「みちのくひとり旅」。このレパートリーの多さと多彩さに惚れてしまいそう!んで、やっぱり歌えてしまう仙台のロッテファン(無論、私も、だが)。先頭のローズはニゴだったが、続く中村の時に初芝が平凡なフライを見事落球。この辺はムリやり盛り上げようとするベテランの手腕が見え隠れ。でも次の代打鷹野を投ゴ併。試合終了。いやー、楽しかった。ヒーローインタビューはスピーカーの関係で全然聞こえず。で、最後に応援団、「青葉城恋唄は必須なので必ず覚えてくるように!」と釘を差す。抜かり無し。

 この後は、前日とは違う牛タン屋、福助(店のHP無かった)に行く。ここも負けず劣らずうまい。店は20人も入ればいっぱいのところだったが、我々が入る前に団体が帰ったらしく、すぐに入れた。やはり、待ってまでご飯を食べるものではない。

 21日(水)。この日はさらに寝坊。13時起床では、街を回れない。仙台市内をブラブラ。仙台市内にいくつかある、「うまい鮨勘」という寿司屋に入る。ここは、1カン単位で頼めて、安い物で66円という、すごい寿司屋だ。味も悪くない。ていうかうまい。さらに凄いところは、回転寿司でないところである。カウンタに何人も職人さんがいる。採算合うんだろうか。仙台って物価安いのね。奮発してシャコとかカニミソとか食べてたが、全部で2000円ぐらいと、かなりリーズナブル。これはオススメ。

 なんか寺を1個巡ったが、名前を忘れてもうた。そのぐらいの寺だ。で、例によって宮城球場へ。昨日の反省を生かして3時半に球場入り。それでも殆んどいなかった。近鉄ナインが今まさに到着ってところだった。近くによったが、真弓と正田がわかった(選手見ろっちゅうねんな)。3時半を過ぎているのでポイントカードの発行に行く。すると、前に並んでいる兄ちゃん、「今日のバッチは2つくれるらしいよ!」ん?昨日聞いた台詞やなー。怪しい…で、もらう。…。やっぱり、予想通り、昨日と全く一緒の2つだった。でもくれるものだからもらっておく。4時に球場入り。すると、ライトの一角を50人ぐらいの高校生が占めている。小脇に抱えたバッグを見ると、「仙台商業野球部」とある。うむ、野球部の高校生か。甲子園目指す若者に、ロッテの応援を見せて教育上大丈夫なんやろか…不安である。

 スタメン。近鉄。1番(右)鷹野、2番(ニ)高須、3番(左)ローズ、4番(三)中村、5番(一)吉岡、6番(指)北川、7番(中)大村、8番(遊)阿部、9番(捕)古久保。投手高村。って何回目や、高村見るの?ええかげん、飽きたわ。ロッテの投手が加藤なので、礒部や川口を外して鷹野や北川。まあフツーかな。対してロッテ。1番(遊)小坂、2番(中)サブロー、3番(一)福浦、4番(指)メイ、5番(三)初芝、6番(右)立川、7番(左)諸積、8番(捕)清水将、9番(ニ)渡辺正。コピペバレバレやな。全く一緒。うそ4番に加藤。清水商業出身。前の日、3本の広島ホームランならぬ宮城ホームランを打ったロッテ打線。今日はどうなる?  試合開始。加藤が先頭の鷹野にいきなりプレイボールホームラン。高須に内野安打。ローズは打ち取るも、中村に左本。簡単に3点を献上。加藤ってどうしてこんなに立ち上がりが不安定なんでしょ?だから、中継ぎにも使えやしない。成長せいよ、何やってんねん、小野コーチ。早くも3点ビハインドのロッテだが、サブロー内野安打の後に、福浦がアッサリ右本で2点を返す。今日も昨日同様浜風だったが、初めて右にホームランが飛んできた。近くではなかったので、取れはしなかったが、それでも逆風でよく伸びた打球を打った福浦を褒めよう。最近、髪の毛を短くしたようだが、これ以上短くしてどうする!応援団に入ったからと言ってボウズにしたハゲしいな桜井君を思い出してしまうのは私だけか。1回終わって3-2。

 加藤、高村はその後持ち直して序盤は動かず。あまりに退屈なので、ロッテ応援団が仙台商業の野球部に応援をやらせていた。が、かなりカッコイイ応援であった。メロディは覚えていないが、ノリはいい。終わった後、ロッテの応援団が、野球部のキャプテンとおぼしき人物(伊藤君と言っていた)にレクチャーをうけていたので、いずれロッテ応援の定番になるかも。現在の応援のうち、習志野高校のをパクったやつがあるらしいので、今回もパクる可能性は大である。

 ゲームが動いたのは4回裏(いや、最初にゲームが動いたのはプレイボールの2秒後ぐらいだが)。立川中飛、諸積一ゴで2死になったので、チャンジで混むといけないからと、早めにしっこに行く。すると、2死から将海がどうやらヒットを打ったらしい。慌ててしっこを済ませる。で、便所から戻ってライトの上段に足をかけたその刹那!ワーっと歓声。もしや、とボールの行方を捜すとなんと左中間に高ーく上がっているではないか!もしや、もしやー!なんとビックリ、渡辺正の逆転ツーラン。2死無走者から2点取るなんて、およそロッテらしくない(しかもホームランで)。昨日は清水将、今日は渡辺正。8番9番が1本づつ。こんなのロッテじゃない。でも逆転だからとりあえず喜ぶ。いつものように、全然知らない兄ちゃんとハイタッチ&全然知らない姉ちゃんと抱擁。

 ともあれ、逆転したロッテ。尻上がりに調子を上げる加藤。2回から6回まで1人も走者を出さない完璧なピッチング。対してロッテは5回、福浦内野安打(すでにここで猛打賞)の後、メイが2試合連続のホームランをバックスクリーン脇に叩き込む。これで6-3。狂喜乱舞のライトスタンド。ここでまたはぐれ刑事。でも、イケイケドンドンの時に、あのはぐれ刑事のテーマって結構のってしまうのよ、これが。7回裏。サブローがツーベース(返球の際にエラーがあり、サブローは三塁進塁、猛打賞)の後、福浦倒れるもメイがライト前で7-3。メイも猛打賞。2,3,4番で3安打づつ打つと攻撃もラクってもんよ。あれ、5番は?っとアッサリ右飛。この日は4打席すべて右飛。浜風や、言うのに何故に右打ちかは謎である。9回には仙台のファンにシコースキーのお目見え。ファウルラインをピョンとまたいで腕をグルグル回すあの仕草もお披露目。でもライトは青葉城恋唄の大合唱で見向きもせず。ご当地ソングも考え物である。ところが、このブライアンが乱調で中村に右安、北川倒れるも続く代打川口が内野安打。4点差でランナーが2人出たので当然小林雅にスイッチ。代わりバナに大村にツーベースを打たれる。自責点はシコースキーだが、これで7-5.一発出れば同点(読売が使う常套句やね、これ)という場面だったが、阿部をニゴ、代打益田を三振でゲームセット。これで小林雅は20試合連続SP。その間、自責点は1、防御率は0.42という脅威の成績。ちなみにこの1点は日公戦で田中賢にスクイズやられた時に、キャッチャーの椎木が何を思ったのか打球を処理して打者にタッチしに行ってホームをあけたというとんでもないボーンヘッドの1点であるからして、無いも同然の1点である。これがなければ、連続SP記録ではなく、連続セーブ記録も続いていたはずであった。また、このエッセイを書いている時点ですでに23連続SPなのだが、いつまで続くのか。頑張ってほしい。ロッテの唯一の明るい話題である。

   仙台戦2連戦で2連勝。会社休んでまで来た甲斐があったってもんです。お見事、山本マリーンズ!ヒーローインタビューは例によって聞こえず、我々はこのまま仙台を後にする予定なので、早めに引き上げる。しかし、球場を出ると近鉄のバスが出るところで、黒山の人だかり。なかなか動けず。こんなことなら中でジッとしとるんやったわ。応援団が外に出てきて、知らない人の軽トラの荷台でハシャイでいた。5分ほどして、持ち主と思われる人が現れたが、その人も応援団をアオっていた。結託したロッテの応援が見事だった。

 帰り道。応援で疲れた我々は、眠気を飛ばすために、ネタ探しに必死だった。あんまりおもしろいのはなかったが、仙台市を出るあたりに、「西中田中西病院」という回文チックな病院があったり、福島入るぐらいに、「福島1km、郡山80km」という看板を見たりした。後者は、果たしてどのくらいの情報量があるのであろうか。まわりに何もない道路で1km先と80km先の場所の明示。福島県民のセンスを問う。センスと言えば、途中の道の駅(安達)で、すでに閉まっている休憩所の中で、1人だけポツーンといるヤツを発見した。何かと思うと、どうやら仮眠を取るつもりなのか、毛布か何かをかぶって左手に持っている携帯をジーッと見つめている。が、右手には、何故か歯ブラシが!ちなみに、ここには一切水気は無い(トイレは100mぐらい先である)。こいつにはセンスを感じた。聴衆を意識しているとしたら大物やな。まあただのアフォだと思うが。この面白さは現場を見てへんと伝わらへんねやろなー。

 横浜到着は朝の6時。帰りも約8時間であった。仮眠して、9時に免許センターへ。国際免許の取得である。給料日前で旅行明けで財布に金が無いのに、取得に金がかかることを知らず(2650円)、あやうく足りないところだった。お土産に萩の月を入れていたら足りなかった。ゆべしだけでよかったわー。しかし、国際免許ってカンタンに取れるのね。向こうの交通ルール一切知らないで、わし。

 とまあ、こんな感じの4日間(木曜日はなんもしてないが)。寝すぎてあまり市内観光ができず、さんぎょーお得意のDAISUKIごっこはできなかったが、主たる目的であるロッテ戦観戦は、最高の結果だったのでよかった。先輩が仙台出身でわが町自慢をしていたのがちょっぴり羨ましかったので、来年の休みは静岡旅行にしよう。もちろん、寝グラは実家であるが。


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